2011年12月25日日曜日

究極の生物兵器、鳥インフルエンザ•ビールスがある研究所で完成

この情報は1221日にRT Newsによって報道された[1]

それによると、オランダのある大学の研究者はビールスに突然変異を繰り返させて、いままでは空気感染をすることはなかったビールスに空気感染するような特性を付与したものだという。従来の鳥インフルエンザ·ビールスは人から人への感染は非常に珍しかったのだが、この新たに獲得された特性によってこのビールスは毎年起こるインフルエンザのように誰にでも感染する能力を持つに至ったという。
ビールス研究者であるロン·フシエとその仲間の研究者らがH5N1ビールスを初めて変異させ、その結果を今年の9月に学会で報告した。その際、この研究成果が持つ潜在的な恐怖がインターネットを駆け巡り、この情報は専門からの間で一気に広まったという。

この研究に従事したビールス研究者たちは彼らの研究成果を公表したいとしている。
しかし、微生物学者であり米国のバイオセキュリテイ科学諮問委員会(NSABB)の委員長を務めるポール·カイム氏はこの種の情報の公開には懐疑的だ。「こんなに恐ろしい病原性微生物は他にはとても考えられない。あの悪名高い炭素菌でさえもこれに比べたら全然恐ろしいとは思えない程だ」と、単刀直入に意見を述べている。
鳥インフルエンザ·ビールスは約10年程前にアジアでその存在が確認された。特にH5N1ビールスが最も致死率が高いと言われている。渡り鳥を媒介して各地で流行が見られ、今や全世界的に鳥インフルエンザが発生する。人に感染すると約50%は死に至ると言われている。過去10年間に600人弱の死者が出ている[2]。しかし、今までは空気感染をすることは無かったので、人から人への感染は殆ど無かった。

この人工的に作り出されたスーパー·フルーは、目下、オランダのロッテルダムにある医科大学の地下室に保管されている。しかしながら、武装したガードマンが目を光らせて警護しているわけではない。
この研究結果を公表するべきかどうかにつては議論が高まるだろう。作り上げてしまったビールスによる世界規模の流行を防止するには、そのような流行の危険性をわきまえた上で他の科学者のさまざまな考え方を広く取り入れて取り組むしかない。しかし、その課程でこのビールスがテロリストの手中に陥る可能性はゼロとは言えない。非常に理不尽な状況になると見られている。
米国政府は著者に対してこの研究の詳細を公表しないように求めているが、この研究課題に助成金を出した米国の国立衛生研究所(NIH)は1220日に「研究者たちは原稿の内容を変更している。研究成果の全体像を公表することは大事だ」との見解を示した、とAP通信社は伝えている。



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人道的な見地からするとても許容することはできないとする常識論の立場と自分たちの研究成果を是非公表したいとする研究者のエゴとの間の駆け引きとなりそうだ。さらに、そこへはNIHという米国の国家機関の戦略も絡んで来る。
世間には人口爆発対策として人口を制御するためにエイズ·ビールスが作り出されたという陰謀論が存在する。そのための研究がどこかで密かに行われているという。エイズ感染は感染者の血液や体液に接触することによって伝播する。そこに、このスーパー·フルーが獲得した空気感染の特性が付与されたとしたら、手に負えないような爆発的な感染力を備えることになる。恐ろしい話である。

「エイズと鳥インフルエンザがどう関連し合えるのか?」という問いかけが起こるだろう。
一昔前はSFの世界の話であった事柄が現実の話になる昨今である。今後の10年間に何が起こるか分かったものではない。それだけに、こうした研究結果が持つ潜在的な可能性は安易に放置しておいてはならないと思う。



出典:
[1] Outbreak: Man-made super-flu formula to be published? RT News, Dec/21/2011

[2] Man-made super-flu could kill half humanity: RT News, Dec/03/2011


2011年12月17日土曜日

木村真三さんという放射線衛生学の研究者

YouTubeの動画サイト[1]で放射線衛生学を専門とする研究者、木村真三さんの活動振りを知ることができた。福島第一原発事故後の放射能による環境汚染の調査とのかかわりをNHKETV特集「ネットワークで作る放射能汚染地図」が詳しく記録している。
 
木村真三さんという研究者のひたむきさが感動的だった。頭が下がる思いがする。
 
311日の福島第一原発での事故直後、職場(労働安全衛生総合研究所)の幹部からは自主的な調査を控えるようにとの指示があったという。東海村での臨界事故やチェノブイリ事故について自分が今まで研究してきた成果や知識を、この未曾有の危機に直面しながら事故現場の人たちに対してまったくフィードバックができないという「やり切れない思い」があった。

木村さんは辞表を出した。そして、原発事故の5日後には放射線の測定器を携えて福島へ向かっていた。 
 
2ヶ月間で3000キロにもおよぶ調査の旅が始まった。それを支えるのは研究者の仲間の皆さん。日本における放射線測定の草分け的な存在である岡野眞治さん(84歳)、京都大学の今中哲二さん、広島大学の静間清さんと遠藤暁さん、長崎大学の高辻俊弘さんたちだ。
 
研究者の方々の努力によって、福島原発周辺の放射能汚染地図が作成された。
 
場所によっては、放射能線量が非常に高い地域も見つかった。半径20キロ圏内に入って、ある場所(双葉町)では250-300マイクロシーベルト/時(2,190から2,628ミリシーベルト/年に相当、すごいレベル!)というものすごく高い場所が見つかった。この線量レベルはチェルノブイリ事故で現在でも最も汚染がひどいと言われているレッド·フォレスト[1]地域をも越すものだ。

1:「レッド·フォレスト」とはチェルノブイリ原発事故によって非常に高いレベルの放射能を浴びて枯れ死し、赤茶けてしまった松林を指す。原発の周辺に広がっていた10平方キロにも及ぶ地域。今はその松林はブルドーザで撤去されてしまって跡形もないという。[2]

原発から27キロも離れている(浪江町の)赤宇木の集会所には4組の夫婦と4人の独身者の皆さんが避難して共同生活をしていた。皆この場所に留まらざるをえない事情があったからだ。
 
328日、木村さんと岡野さんが調査のためにやってきた。放射線量は測定器の限度を超えていた。木村さんが赤宇木の危険性について話した2日後の330日、集会所の人々はこの場所を去ることにした。
 
赤宇木が計画的避難区域に設定されたのは、この人たちが集会所を去ってから12日後のこと。年間の被曝線量が20ミリシーベルトを越えることが予想され、退避が求められる区域のひとつになった。
 
「直ちに人体に影響を与えるような数値ではありません」という政府の言葉がテレビ報道で何回となく繰り返されていた。これは急性の放射線の健康影響のことを言っているのであって、一年後、5年後あるいは20年後に現れる晩発性の影響については何も言っていない。残念ながら、繰り返して報道されていた政府見解には晩発性の健康影響についての配慮はまったくなかった。つまり、政府には当面のパニックを回避することしか念頭に無かったということだ。

この赤宇木地区についてはもうひとつのエピソードがある。
 
文部科学省にはすでに測定データが存在してはいた。しかし、その資料では具体的な地名は隠されていた。浪江町の馬場町長はデータをもらってはいたのだが、測定点の地名は伏せられていた。自分の町の地域が最も汚染が高いという事実が目の前にありながらも、そのデータをまったく重要視してはいなかったという。データの中の32番目が赤宇木地域に相当するのだという。そこは放射線量レベルが突出した地域のひとつだった。
 
情報がそこにありながらも、最も必要な時に最も重要な情報が活かされてはいなかったのだ。
 
地域住民の健康を守ることが急務の筈の地方自治体に対して正しい情報を故意に流さなかった文科省の責任は非常に大きい。こんなことが許されていいのか。
 
赤宇木集会所の人たちの中には汚染状態についてのスクリーニングを受けた結果、基準値を超しており除染が必要になった人もいたとのことだ。このご当人に、今後、どの程度の健康被害が出てくるのかはまったく予測もつかないが、仮に5年後、あるいは、10年後に放射能による健康被害が出たとしたら、そのような場合、文科省の責任は明白である。文科省が告訴されたとしても決しておかしくはないのではないか

文部科学省に言わせると、「地名を伏せていたのは風評が広がることを恐れたから」だという。それでは、赤宇木地域に住む人たちが被ることになる健康被害はどうでも良かったのか?自分たちの保身のためだけに、現場の住民の健康をないがしろにしたということだ。非常に理不尽だと言わざるを得ない。
 
この動画は幾つもの重要な側面を教えてくれた。

木村真三さんという研究者、ならびに、木村さんを支えてくれた仲間の研究者の皆さん対して、その行動力と使命感に乾杯!!
 


出典:

[1] ネットワークで作る放射能汚染地図:  http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65734984.html

[2] Red Forest: ウィキペデアから