2014年4月29日火曜日

ニューヨークでの10日間の休暇がパーになったフランス人女性の一家


日本人で「井田有華」という名前の人は米国への旅行は取りやめた方がいい。
この名前を英語的にAruka daと記したパスポートを見せると、米国への入国を拒否されるかも知れないからだ。米国の移民局の職員にとっては、この名前はひょっとするとアルカイダを連想させる可能性がありそうだ。
「冗談だろう」と思う人が多いかも知れない。
誰もがあり得ないと思うことが最近実際に起こった。これはフランス政府発行のパスポートを持った女性が家族揃って10日間の休暇のためにニューヨークへ出かける途上で起こった。それを報じる最近の記事 [1] を共有したいと思う。
 

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<引用開始>
夫と二人の子供たちと一緒にニューヨークでの休暇を楽しみにしていたフランス人の女性が飛行機への搭乗を拒否された。彼女の名前のせいであった。発音を間違えるとテロリスト集団の名称であるアルカイダとなってしまうからだった。
Aida Alicと夫および二人の子供の一家四人は先週の水曜日に10日間の休暇を利用してニューヨークへ出かける途上であった。しかし、不意にその旅行はおじゃんになった。
「マダム、あなたはブラックリストに掲載されています」と、ジュネーブのスイス航空国際線のチェックイン・カウンターでAida Alicは告げられたのだ。航空会社の幹部の説明によると、米国の移民局はこの女性の米国領内への入国を拒否しているとのことだ。この出来事はフランスの日刊紙、ル・ドーフィネ・リベによって報じられた。
「最初は何かの冗談だろうと思いました。でも、やがて私たちの旅行はパーになったと認めざるを得ませんでした」と、フランス南東部のサヴォア地方に住むAlicさんが語ってくれた。「テロリストとしてブラックリストに掲載されたとなると、誰でも被害妄想に陥るんじゃないかしら」とこの33歳の女性は付け加えた。
Alicさんはリヨンにある米国領事館に電話をした。しかし、ラジオ局「ヨーロッパ第一」によると、この禁止措置については何も返事を貰えなかったという。
彼女にとってはひとつの説明があり得た。それは彼女自身の名前だった。彼女のフランス政府発行のパスポートには最初の欄にAlic 、次の欄にAida と名前が記載されている。これを一緒にして間違えて発音されると、オサマ・ビン・ラデンが組織したテロリスト集団の名称となってしまう。
「アリク・アイーダ、アルカイダ」と彼女は言った。そして、実際には彼女の名前はユーゴスラビア系の名前であって、「アリク」 ではなく、「アリッチ」と発音するのが正式であると説明してくれた。
こうして、彼女の家族旅行は完全におじゃんになってしまった。彼女は米国の星条旗の図案をマニュキアに施してこの旅行を楽しみにしていたという。彼女にとっては成す術もなかった。こうして、自由の女神の像を見るのは無期延期となった。
この出来事の結果、このフランス人一家の損害は航空券だけでも2,700ユーロとなった。しかしながら、この種の損害は保険では補てんすることは不可能であるという。
米国では、テロリストの監視リストには米国人や外国人の名前が何十万も掲載されている。秘密裏に掲載されている人たちは自分の身分を正したくても現実的な方法はない。しかしながら、一件だけ公けに知られている事例がある。あるマレーシア人の女性は米国の国土安全保障省を相手に訴訟を起こし、自分の名前をブラックリストから削除して貰うことに成功したとのことだ。しかし、9年間もの歳月を要した。
<引用終了> 

何とも不条理な話である。こんなことが起こっているとは想像もしなかった。米国の安全保障組織というのは毎年何百億ドルもの予算を注ぎ込んで人的資源もふんだんに使っていると報道されている。米国ご自慢のコンピュータ・プログラムには複雑な言語文化を十分に反映してはいないようだ。間違いがおこらないようにする手段は何も施されていなかったのではないかという気がする。日本の産業界がお得意とする「ポカヨケ」のような考え方は元はと言えば米国のNASAの設計思想から始まったとされる。米国国土安全保障省は先人が築き上げた知識を活用し、コンピュータプログラムに間違いを回避する手法を導入するべきではないだろうか。
マレーシア人の女性が9年もの歳月をかけなければならなかったという事実も非常に不条理な話である。ウィキペデアによると、米国国土安全保障省では216千人もの人たちが働いていると言う。米国では他にも数多くの関連組織がある。無実の市民に対する救済策はあって当然だと思うのだが、現実には、米国の「テロに対する戦争」は何でもありの戦争行為に近いと言えようか。「国境のない対テロ戦争」の恐ろしい一面であるとも言える。
パキスタンやイエメンおよびソマリアでは無人飛行機によるテロリストの掃討作戦が続いている。テロリストの掃討を非難する積りは毛頭ないが、巻き添えになる一般市民の殺害は言語道断だ。米国の爆撃によって不幸にも死亡した民間人のことを「民間人」とは言わないで「巻き添え」と表現するお国柄であることを考えると、米国に対してこの種の損害について救済を求めることはかなり難しそうだ。要するに、聞く耳を持たないのだ。リヨンの米国領事館は今後アリクさんに何らかの回答をする用意があるのだろうか?
「対テロ戦争」では、米国当局は国家の安全保障のためと称して透明性の要求には抵抗するのが落ちだ。そんな中で、ここに引用したアリクさん一家の事例は一般市民がとんでもないことに巻き込まれてしまう可能性があることを、現実の話として十分に認識しておく必要がありそうだ。
日本でも昨年の1213日には特定秘密保護法が公布された。日本でも、遅かれ早かれ、この引用記事と似たような出来事が表面化するかも知れない。市民がまったく知らない部分で不当な制約を受けたり、何処へも持って行けそうもないような損害を被ることが今後少なからず起こるかも知れないのだ。
また、日本が米国の軍事作戦のために自衛隊を海外に派遣するようになると、テロリストの掃討に協力する傍ら、好むと好まざるとにかかわらず新たなテロリストを生みだすことに加担することにもなる。その延長線上には日本の国内さえもが、現在のヨーロッパ諸国と同じように、テロの標的になる可能性が出てくることを理解しておく必要が出てくる。
残念ながら、当面はこういった心配の種が後を尽きそうもないように思える。

参照:
1Alic Aida alert? US holiday ruined for French woman with tricky name: By RT, Apr/25/2014, http://on.rt.com/n7ituu

 

 

2014年4月24日木曜日

今朝は雷鳴で叩き起こされた - 亡き母に捧げる詩


今朝は雷鳴で叩き起こされた
頭上をゆっくりと通り過ぎて行く雷鳴
復活祭も終わり、新緑が深まりつつある
季節は夏へと移って行く
この夏は何が待っているのだろうか?
ふと思った
ウクライナでは流血騒ぎを収束させることができるのだろうか?
内戦に発展してしまうのだろうか?
トム・レーラーの歌「お母さん、さようなら」
あの歌のようになっては欲しくないものだ! 

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上記の日本語の詩を英語にもしてみました。拙い英語ですが、私の個人的な平和への願いが英語国民の皆さんにも届いて欲しいと思うからです。四季の移り変わりを見るのが今年だけにならないで欲しいと願うからです。
I was woken up by the thunder this morning
It was slowly hovering over our house
Easter has gone, the green grass is becoming richer
The season is drifting into summer
What awaits us?
I’m wondering
Can they quell the ongoing unrest in Ukraine?
Will there be civil war?
Tom Lehrer’s song “So Long, Mom”
I wish it won’t come true. 

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トム・レーラーの歌の原題は「So Long, Mom」で、「お母さん、さようなら」は仮訳です。半世紀も前の冷戦が華やかなりし頃の歌です。相互絶滅の可能性を持った原爆が飛び交う第三次世界大戦をテーマとした反戦のメッセージであると見られます。
私自身はこの歌の存在を知りませんでした。昨日(423日)掲載したブログ「ウクライナのキエフで死者を出した発砲事件には反政府派が関与 - ドイツの公共テレビ放送」で引用した記事では、米国の非営利TV局のコメンテーターがウクライナ紛争の危険性、つまり、第三次世界大戦となり得ることを指摘して、このシンガーソングライターの歌を紹介していました。そこで、この歌の内容を調べてみた次第です。今、この歌の内容を想い起こす価値はじゅうぶんにあるのではないかと思います。
母の日が間もなくやってきます。このブログを亡き母に捧げようと思います。このウクライナでの政情不安はまかり間違うと、ロシアとEU/NATOとの軍事対決になる可能性があることから、この詩をヨーロッパのお母さんたちに捧げたいと思います。そして、これは第三次世界大戦に発展する可能性があることから、全世界のお母さんたちに捧げたいと思う次第です。

戦争のない夏を願っています。
 
参照:
トム・レーラーの歌「お母さん、さようなら」:So Long, Mom (A Song for World War III) Lyrics, Tom Lehrer, www.releaselyrics.com/.../tom-lehrer-so-long,-mom-(a-song-for-world-war...

 

 

2014年4月23日水曜日

ウクライナのキエフで死者を出した発砲事件には反政府派が関与 - ドイツの公共テレビ放送


ウクライナから追い出されロシアへ亡命したヤヌコヴィッチ前ウクライナ大統領は220日にキエフで起こったデモ隊に対する発砲事件には関与してはいないとする調査結果がドイツの公共放送によって報道された [1]。これは414日のことだ。
そして、ドイツで報道された内容を受けて、米国のメデア(The Real News Network: 2007年にメリーランド州バルチモア市に設立された非営利系のニュースとドキュメンタリーを専門とするメデア。)がその内容を米国の視聴者へ伝えた [2]417日のことだ。
220日に起こった発砲事件では数十人が死亡したと言われている。その数日後の225日、EU高官の電話内容のリークによって、どうも反政府連合の一派が発砲事件に関与していたらしいとの情報が公知の事実になりつつあった。
私は今年の36日付けのブログ『プーチンがインタビューで表明 「武力行使は最後の手段。その権利は保留」』で下記のように記述した。
EU外務・安全保障政策上級代表のキャサリン・アシュトンとエストニアのウルマス・パエト外相との間で電話で交わされた会話が暴露された。後者は「背後から狙撃者を操っていたのは誰だったかと言うと、それはヤヌコヴィッチではなく、反政府派連合の誰かだったという疑いがより濃厚になってきた」と述べている。この電話は反政府派と治安部隊との衝突がその頂点に達していた225日にエストニアの外相がキエフを訪れた後にアシュトンと交わしたものだという』と。
ドイツの公共放送による緻密な調査結果によって220日のキエフでのデモ隊に対する発砲事件は当時の反政府デモの一派である過激派がデモをさらに混乱させるために仕組んだものではないかと言われている。この発砲による犠牲者はデモの参加者ばかりではなく警察官側にも出ている。そして死者や負傷者の治療に当たった医師の説明によると、デモの参加者や警察官を殺害した弾丸は同一の種類のものであると報告されている。この事実は、同一の狙撃者がデモの参加者と警察官の両方へ発砲して、反政府デモをさらなる混乱に導こうとする意図によるものだとの推論の基礎となっている。 

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下記に、ドイツの公共放送局が発表した内容に関する記事 [1] を読者の皆さんと共有したいと思う。
<引用開始>
ウクライナでの右翼によるクーデターから7週間たった今、当時西側諸国が後押ししていた反政府派側こそが220日のキエフの独立広場で起こった発砲事件についてその責を問われるべきであるとする証拠が明白になりつつある。これは先週の木曜日にドイツの公共テレビ番組「モニター」で報告された。この番組の内容はオンラインで入手可能である(ドイツ語)。
「調査の結果、デモの参加者に対する発砲は旧政権側だけが行ったものだとする見方は成立しそうもない」と、この番組の直前に発行されたプレスリリースが述べている。 その報告の中で「モニター」はひとつの質問を発した。「混乱をさらに深め、ヤヌコヴィッチ大統領に責任を被せるために反政府連合の過激派が発砲をすることになったのではないか?」と。ここに公開されたビデオやインタビューならびに録音内容はまったくその通りであることを示唆している! 
「モニター」はヤヌコヴィッチ政権の狙撃部隊の隊員の間で交わされた無線通信の内容を公表した。隊員たちは220日にはキエフの中央広場を囲む建物の屋上に配備されていた。隊員間の無線通信はウクライナのアマチュア無線愛好家によって傍受された。狙撃兵のひとりが仲間にこう言っているのが聞き取れる。「おい、みんな、連中はあそこにいるぞ。ウクライナ・ホテルの右側だ。誰が撃っているんだろう。われわれの仲間は非武装の市民に向かって撃つことはないんだが…」 そして、彼はさらに続けた。「みんな、俺を狙っている狙撃者がいるぞ。あの角から狙っている奴は一体誰だ?気を付けろ!」 しばらく間を置いて、誰かがこう言った。「誰かが彼を撃ったぞ。撃ったのはわれわれの仲間ではない。あそこには他にも狙撃者がいるのかも。奴らは一体誰だ?」 
他のビデオでは、220日にインステーツカヤ通りに沿って行進をしていたデモの参加者は前方からばかりではなく後方からも、つまり、政府ビルの方向からばかりではなく後方からも撃たれている様子を観察することができる。幾つかのビデオに映っている目撃者のミコラによると、「そう、あの220日のデモではわれわれは後方から、ウクライナ・ホテルの8階か9階辺りから撃たれた」と証言している。「連中はあそこで立ち上がってわれわれを撃っていた。われわれは反対の方角からも撃たれた。」
ホテル・ウクライナからデモに向かって撃っていたのは誰かという質問に対しては彼はこう答えた。「分かりません。連中は兵隊だ。間違いなくプロだ。」 
デモの当日、ホテル・ウクライナは反対派の統制下に置かれ、念入りな防御態勢も施されていた。無数の目撃者やジャーナリストならびに反政府派の人たちが「モニター」番組でこのことを認めた。220日の朝、反政府派は入場制限さえも導入した。部屋のキーあるいはIDを持っている人たちだけがホテルへ入ることを許された。「モニター」のリポーターは次のような結論に達した。「以上の状況から、狙撃者がホテルへ侵入することは非常に難しい。」
それに加えて、リポーターたちは武装した反政府派がデモの参加者らに向けて発砲している様子を示しているとされるロシアのテレビの映像も調べた。「誰が誰に向けて発砲しているのかを断言することは難しい」が、「撮影はホテル・ウクライナの方角でされていた」ことが確認された。さらには、「デモの参加者だけではなく、警察官も撃たれた。そして、多分、これは同一人物たちの仕業である」ことも確認された。
両派の犠牲者の治療に当たった医師はインタビューでこのことを確認した。「私たちが治療した負傷者たちは同じような種類の銃創を負っていた。手術で体内から取り出した弾丸の種類について言っているんです。弾丸は同一でした。私の方からはそれ以上は言えません」と彼は述べた。  
この衝撃的な報告はエストニアのウルマス・パエト外相とEUの対外政策最高幹部であるキャサリン・アシュトンとの間で交わされた電話が3月の始めにリークされた内容とよく整合する。さらに、パエト外相は医師たちの証言に基づいて「同一の狙撃者たちが両派の人たちに向けて撃った」と報告をしている。彼は「発砲の背景にはヤヌコヴィッチではなくて反政府連合のメンバーがいるとの可能性が高まっている」として警鐘を鳴らした。
それ以降、キエフの暫定政府ならびにキエフを支える西側諸国はこの事件が辿った真相をひた隠しにしようとしていた。先週になって、ウクライナのファシストのスヴォボー党と関連を持つ検事総長のオレイグ・マチ二ズキーは今は解散させられてしまったベルクート特殊部隊の元メンバーである12人を逮捕し、彼らが狙撃事件の主犯だと表明した。 
「モニター」番組によると、調査委員会のメンバーである高官のひとりは検事総長が表明した筋書きに疑問を投げかけた。 「私の調査結果は検事総長が記者会見で述べた内容とは一致しない」とその調査官は言ったが、インタビューでは身分を明かさなかった。
犠牲者を代表する弁護士はこの調査のすべては暫定政府が自分たちの犯罪を隠ぺいしようとする策略以外の何物でもないと教えてくれた。「私たちは誰も調査結果に関する情報を受け取ってはいません」と彼は不満を露わにした。「私に言わせると、そこにはひとつの明快な理由があるのです。つまり、この事件についてはまともな究明は実施されません。犠牲者の弁護士の意見としては、検事総長はこの事件を適切に調査しようとはしていないのです。彼らは仲間たちのために隠ぺいしようとしている。彼らは以前からの党員仲間なのです。」 
<引用終了>

以上がドイツの公共テレビが伝えたとする記事の全訳だ。
オリジナルの文書はドイツ語であるので、私にはその内容を検証できないのが残念だ。しかしながら、ドイツ語はまったく理解できないにしても、映像を見ると十分に当時の状況を伝えてくれていることが分かる。これこそが映像の持つ威力だ。ドイツ語音痴のわれわれもオリジナルのテレビ放映を覗いてみる価値は十分にありそうだ。
このウクライナ紛争における最大の問題点は暫定政府の政治的使命がウクライナを統一して現在抱えている経済的な問題を解決しようとする政府としての方針がまったく感じられないことではないだろうか。それに代わって、ウクライナの住民には飢餓状態を強いてまでも、暫定政府は米国やNATOおよびEUの利益を最大限に引き出そうとしているかのように見受けられる。ひとつの政権の政治的生命は、通常、そう長くは続かない。長くても数年だ。しかし、その間に米国やNATOおよびEUの政策に沿って動くことによって、ある事情通が解説しているように、政権が倒れた後、現在の政府高官たちはスポンサーから高額の退職金を支払って貰い、自分の好きな国、たとえば、フロリダとかギリシャのミコノス島で余生を満喫できるという筋書きであろうか。おぞましい話である。
 

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そして、米国。
上記のドイツの公共テレビ放送による報告が米国でも取り上げられた。ただ、これを取り上げたのはCBSとかNBCといった3大テレビネットワークではなく、非営利団体の放送局のひとつ、「リアル・ニュース・ネットワーク」だ。このテレビ局は東部のバルチモア市にある。
視聴者の数は非常に小さいのではないかと懸念されるけれども、少なくとも、商業主義に走る3大テレビネットワークの報道には飽き足らない人たちの関心を呼んだのではないかと思う次第だ。当面は小さな波紋であってもいい。やがてはさまざまな機会に取り上げられて、3大テレビネットワークという政府のプロパガンダ・マシーンの報道しか視聴してはいない米国の一般の人たちをも啓蒙してくれることだろう。

早速、引用してみよう。

<引用開始>
マイケル・ハドソン: ウクライナで数十人が殺害された事件に関して、ドイツのテレビ調査番組は西側が主張するヤヌコヴィッチ前大統領の責任を否定しています。そして、これは大量破壊兵器にまつわる大嘘がオバマ大統領にも再来したかのように見えます。

ジェシカ・デバリヨー(TRNNのプロデューサー):  リアル・ニュース・ネットワークへようこそ。私はバルチモアからのジェシカ・デバリヨーです。そして、本日のハドソン・レポート番組へようこそ。
今日のお客様はマイケル・ハドソンさんです。マイケル・ハドソンさんはミズーリ州のキャンサス・シテー大学で経済学の分野で研究を専門とする教授でいらっしゃいます。最近のふたつの著書をご紹介しますと、The Bubble and Beyond Finance Capitalism and Its Discontentsです。
マイケル、お越し下さってありがとうございます。
 
マイケル・ハドソン教授: こちらこそ、どうも有難う、ジェシカ。
デバリヨー: さて、マイケル、今週はどんなテーマを追跡していますか?
 
ハドソン: 当面の大ニュースはウクライナ情勢です。特に、220日に起こった発砲事件のことです。先週の終わり頃、ドイツのテレビ番組「ARDモニター」(これは米国の「60 Minutes」番組によく似ている)がマイダンにおける発砲事件に関する調査結果を報告しました。彼らの調査結果によると、オバマ大統領の主張とは違い、つまり、米国政府が言っていることとはまったく違って、発砲をしたのは実際は米国が後押しをしていたスヴォボー党のメンバーや反政府デモのメンバーたちであったということです。狙撃者はホテル・ウクライナから射撃をしていました。このホテル周辺が反政府派デモ隊の根拠地であったのです。ホテルに陣取った狙撃者はデモの参加者だけを標的にしたのではなく、警察官も標的にしました。さらなる混乱状態を演出するためにデモの参加者と警察官の両方を射撃したということです。取材クルーは医師たちとも話をしています。医師の話によると、負傷者の体から採取された弾丸はすべてが同種の銃から発射されていました。取材クルーはデモの参加者である反ロシア特殊部隊に密着行動をしていたリポーターとも話をしました。彼らは皆「その通りだ」と言っています。目撃者のすべての意見が一致するのです。弾丸はホテル・ウクライナから発射されていました。同ホテルは完全に反政府派の支配下にあったのです。
実際に何が起こったのかと言うと、クーデターの後、いわゆる暫定政府は極右派テロリストのスヴォボー党のメンバーをこの事件を調査する責任者に据えたのです。殺害されたデモの参加者の遺族たちが言うには、政府は犠牲者の亡骸を遺族に対面させてはくれず、遺族側の医師と情報を共有することも拒否し、遺族を冷たくあしらっているとのことです。今起こっていることは情報の隠ぺいそのものです。それはあたかも「Z」という映画 [訳注:1969年のギリシャを舞台にしたフランス映画] に現れる軍の高官たちのようです。デモ隊のリーダーの死に関して自分たちの責任を認めず、デモ隊員のせいにしようとしたあの映画のようです。

さて、このドイツの報道が伝えている現実の問題は、これがドイツで第一面のニュースとして報じられ、ロシアでもこれが第一面のニュースとして報じられている時(ロシアのテレビは自分たちの銃撃に関する取材結果を放映しています)、オバマ大統領は何故米国の市民に対して真っ向から嘘をつくのかという点ではないでしょうか?これはブッシュ前大統領の大量破壊兵器に関する大嘘に匹敵します。どうしてオバマ大統領はロシア側がウクライナで銃撃したと言うのでしょうか?そのせいで、反ロシア感情がすでにこれ程までに高まってしまったのです。どうして市民に向かってはっきりと言おうとはしないのでしょうか?「われわれは過去の5年間もしくは10年間に50億ドルも支払ってきた。われわれの市民が銃撃をしている。われわれが銃撃するようにと指示している。彼らの後ろにはわれわれがついている。分離主義者はむしろわれわれ自身なのではないか。」 

実際に起こったことはと言えば、ウクライナの西部地域は米国派で分離主義者です。ウクライナを分離しようとしている。この動きはブレジンスキーが何年か前に著書の中で述べたことをまったくその通りにしようとしているとも言えるでしょう。彼はウクライナをロシアから切離すことがロシアの軍事的潜在能力を削ぐことに匹敵するのだと述べているのです。 

さて、先週の金曜日にこのことについて反論した米国人が唯一人います。それはカーター前大統領です。ジミー・カーターは「サロン」とのインタビューで、事態を非常に憂慮していると言っています。彼いわく、「米国を除くと、全世界はほとんど一様に米国をNo. 1主戦論者だと見なしている。われわれは戦力に訴えた紛争には合図一つで逆戻りする。そして、多くの場合、われわれの国の指導者がそうしたいと言うだけではなく、市民もそれを支持する。」 
その翌日、ファイナンシャル・タイムズがシンガポールのリー首相にインタビューをしました。リー首相はこう言ったのです。「マイダンのデモの参加者を勇気づける前にそのことを考えるべきだった。ある種の人たち、つまり、米国人は起こり得るすべての結果について考えようともしなかったんじゃないか、と私は思っている。結果のすべてについて責任を取れるとでもお思いなのか?悲しむべきことが発生した場合、その場に居ることができるのか?自分自身の関心事が山のようにあって、その場に居ることさえもできはしない。」

複数のヨーロッパの政治家が言っていることはこうです。「米国が何をするのかを見て欲しい。これこそ米国が1956年にハンガリーでしたことだ。また、1968年にはチェコでしたことだ。米国は外国の軍隊を勇気づけ、ロシア軍と戦わせる。そして、支援を約束する。でも、それだけで何もしない。」
ロシア語を日常言語としているウクライナ東部の住民の多くは非常に心配しています。西部の分離主義者たちが米国の支持を受けて、「あんたたちにはもう水を入手できないようにしてやる。あんたたちを腹ペコにしてやるんだ」と言って、クリミアへの給水を遮断したからです。彼らはウクライナ東部へ出入りしています。もしあんたたちがIMFに反対したり、われわれが示したユーロゾーンの緊縮予算プログラムに反対したり、天然ガスの補助金を排除することに同意しないならば、あんたたちの権利を徹底的に破壊し、あんたたちこそ分離主義者だとして非難すると言って、ロシア語のテレビ放送局を閉鎖しました。彼らは緊縮予算に反対する人たちを逮捕し始めたのです。西側が支持するウクライナ人のための緊縮財政計画に反対を唱える住民を殺害しようと彼らは暗殺集団を送り込んだのです。
 
本日のニュースではウクライナ西部 [訳注:この「西部」は間違いで、「東部」とするべきだと思われます。ウクライナの東部地域には製鉄や金属加工の産業が集中しているからです] の人たちがこう言っています。「ちょっと待てよ、われわれの仕事というのは、工場や産業界で働く限り、われわれはロシアのために本物の自動車を生産し、航空機用のロシア製武器のために部品やその他の製品を生産している。われわれの市場はロシアだ。われわれはドイツへ売りこもうとした。でも、ドイツへは売りこむことができないままでいる。」 今日のファイナンシャルタイムズでアンドリュー・ジャックがこの件に関して記事を掲載していますが、ウクライナ東部での生活水準はすでに非常に低下していると述べています。彼らの唯一の希望は雇用を確保することにあるのです。雇用の確保とはロシアへ物を売ることです。そして、今、彼らはひとつの状況に陥り、「さあ、あんたたちは分離したいのか、それとも俺たちが分離し、あんたたちを置き去りにするのか」と言っているのです。
プーチンは、ロシアはウクライナ東部を引き受ける積りは毛頭ないと言い続けています。その理由は非常に明快です。過去の20年間を見ると明らかです。ウクライナは本当に自立していたとは言えません。ウクライナを引き受ける側にとっては大きな負担となります。ロシアはウクライナを支援するという負担を背負い込みたくはないのです。そこで、プーチンはEUや米国に連邦制のウクライナを討議するために会合を持つことを提案したのです。これは一種の緩やかな連邦制度であって、その制度の下では個々の地域は自分たちの自治権を有し、三つの地域がそれぞれの国境には原爆を配することはないと同意をするのです。 

この週末にオバマ大統領が述べた内容はこうです。「ロシアが米国に対して降伏するならば、会合を持ってもいい。もしもあんたがたがウクライナへ供給する天然ガスの代金を請求しないならば、もしもあんたがたが来る月も来る月も代金の支払いがないまま天然ガスをただで供給することに同意するならば、会合を持ってもいい。あんたがたはウクライナに天然ガスをただで供給し続けることを約束しなければならない。あんたがたは彼らにお金をあげなければならない。そのお金で彼らはわれわれから武器を購入して、あんたがたと戦うことができるようになる。」
オバマ大統領は原爆を搭載している軍艦を黒海へ配備して、「20分間の内にロシアを叩きのめすことができるぞ」とばかりにプーチンを威嚇しているのです。オバマ大統領は第三次世界大戦も厭わないとして脅かしているのです。ヨーロッパはロシアの報復の最初の標的になることが分かっていることから、ヨーロッパ人はこれにはすっかり怯えきっています。

どうして米国はこれ程までに騒ぎを大きくするのでしょうか?まるで、オバマはデイック・チェイニーと繋がっているかのようです。どうしてオバマ大統領は米国の市民に向けて所信を表明しようとはしないのでしょうか。「さて、われわれは反ロシア派を支援してきた。しかしながら、彼らはわれわれの手中からはこぼれてしまったようだ。彼らが罪もない市民に向かって発砲したことは申し訳ないと思う。彼らは泥棒政治家であることが判明し、われわれは遺憾に思っている。彼らがロシア語放送を行うテレビ局を閉鎖したことは申し訳ない。これは悪行であり、決して民主主義ではない。われわれが取り戻したいのは民主主義だ」と、なぜ言ってくれないのでしょうか?
でも、オバマはそういったことは一言も喋ってはいないのです。彼が言っているのはこうです。「われわれは極右翼を支援するばかりではなく」、われわれはプーチンに対して、「ウクライナに対してただでガスを供給しないと言うならば、会合のことなど考えなくてもいい」と言っているのです。プーチンはロシアで演説をして、こう述べています。「ウクライナに対して実際に何かをしてあげているのはロシアだけだ。つまり、ロシアはウクライナに実質的にガスを供与している。」 西側は彼に対してそうするようにと励まし続けてきてはいるが、ウクライナに対しては金銭的には何もあげてはいない、とプーチンは言っているのです。

ドイツは今心配しています。この調査報告を放送したのはドイツであるということも納得がいきます。ドイツはウクライナを通過するパイプラインから天然ガスの供給を受けていることから、ドイツは非常に心配しているのです。ウクライナのスヴォボー党はマイダンの殺害事件を調査する責任を負っている政党ですが、同党は「われわれはロシアからのパイプラインを破壊する積りだ。われわれがしたいことはロシアが天然ガスを輸出して代金を稼ぎ、その金で軍事力をさらに築くことを防止することだ」と言っています。
ネオコンが支配する米国政府の誰かがこう言っています。「ロシアが天然ガスを輸出し、その代金を受け取ることを止めさせることができさえすれば、ロシアには軍事活動をする資金はなくなり、われわれは冷戦に勝つことができる。」 これはとどめの一撃となりますが、これはブレジンスキーが本で書いていることです。まったく常軌を逸した話です。ロシア人はこう言っています。「ウクライナではわれわれのためにたくさんの武器が生産されていることは本当だ。われわれはウクライナから輸入しているが、われわれはロシア国内でそういった工場を立ち上げることができる。多分、少し余計な費用を負担することになるだろうが、ロシアにも失業者がいることでもあるし…。実際に、われわれは自分たちの産業を築き上げなければならないだろう。そして、われわれは直ぐにでも中国やイランへの輸出が一体どれほどになるのかを考えなければならない。」 彼らはイランとの和解を直ちに実現することになるでしょう。彼らは今アフガニスタンからの米軍の撤退を米国がロシア経由で行うことを許すべきかどうかを議論していますが、こう言っているのです。「ちょっと待てよ!あんたがたは原爆を搭載した軍艦を黒海へ移動させて、われわれを爆撃するぞと脅かしたばかりじゃないか。われわれはあんたがたの軍隊がアフガニスタンから撤退する際にロシアを通過させるようなことはしない。あんたがたの軍隊が次から次へとロシアへ入って来ることになってしまうだろうからな。正気の沙汰じゃない。」

これが今世界中が喋っている内容ですが、米国では全面的な報道管制が敷かれています。通常、何か非常に深刻な状況が起こっている場合このような報道管制はあり得ます。オバマ大統領は歴史の中で自分が果たしてどのように記憶されるのか、あの大量破壊兵器と共に記憶されているジョージブッシュのように悪名を残すことになるのか、と気を揉んでいるのではないかと私は推察しています。でも、オバマ大統領がこのような方向を維持しようとする限り、われわれに残された時間は、23日の内に、無くなってしまうかも知れません。ちょうど、あのトム・レーラーが歌っていたようにです。♪お母さん、さようなら、爆弾を落としに出かけるよ、戦争が終わったら帰って来るからね、今から1時間半もしたらね♪これが目下われわれが置かれている危機的な状況なのです。これはあたかも米国が「われわれのすべての行為は自由の戦士が自分たちをロシアから防衛するためのものだ」とでも言っているかのように見えますが、実際にはロシアをあおりたててロシアを乱暴に反応させようとしているのです。最大の疑問はここから先いったいどこへ向かうのかという点です。
デバリヨー: 分かりました。マイケル・ハドソンさん、お越しいただきどうも有難うございました。

ハドソン: こちらこそ、有難うございました、ジェシカ。
デバリヨー: そして視聴者の皆さん、リアル・ニュース・ネットワークをご覧いただきどうも有難うございました。
<引用終了>
 
この引用記事を読んで、どうお思いだろうか。
学生の頃、私は「米国帝国主義」という言葉を始めて自分の耳で聞いた時それが具体的にどのようなものであるかを具体的に思い描くことは出来ないでいた。少なくとも私自身はそんなだった。社会人になってからも「ノンポリ」の姿勢は変わらず、具体的に理解が深まることはなかった。要するに、ぼんやりとしたイメージだけだったのだ。でも、イラク戦争以降の米国の行動を見たり、言動を聞き、さらにはアフガニスタンやイエメン、シリア紛争、等を観察してきた結果、恥ずかしながらも今頃になってようやくその意味が具体的に理解できるようになってきたな、と実感する次第だ。
たとえば、ウクライナの極右派のスヴォボー党は「われわれはロシアからのパイプラインを破壊する積りだ。われわれがしたいことはロシアが天然ガスを輸出して代金を稼ぎ、軍事力をさらに築き上げることを防止することだ」と公言しているが、結局、これは反ロシアの政策立案者、つまり、米国のネオコン政治家や産軍複合体が作成したシナリオをスヴォボー党の幹部が単に読み上げているに過ぎないのではないかと思えてくる。ウクライナの極右派による暴力を糾弾することも大切ではあるが、その背後に誰が居るのかを明確に理解することも同時に非常に重要だと思う。
このスヴォボー党の行動計画は冷戦時代の末期にブレジンスキーが提唱した理論を反映したもの。 [注:ブレジンスキーの著書「ゲーム・プラン」は1986年の出版] つまり、冷戦が終わって20数年にもなるというのに、スヴォボー党の背後にいる米国の産軍複合体の頭の中は当時も今もまったく変わってはいないということのようだ。逆に言うと、産軍複合体の恐ろしさは、最近のブログ「軍事予算を確保するために大きな敵を新たに探そうとしている米国」(44日)にも書いたように、新しい大きな敵を見つけようとする姿にあると言えよう。今のウクライナの状況を見ると、彼らは新たな敵を作り出そうとしている。あるいは、新たな冷戦構造を作りだそうとしていると言った方が正確かも知れない。
事実、417日付け(邦文は418日付け)のファイナンシャル・タイムズは国連の安保理事会でロシアのチュルキン国連大使が「米国は内戦を起こそうとしている」として米国を非難したと伝えている。[注:この報告については日本語に翻訳された記事が出回っています。表題:「ウクライナ危機、冷戦への言及に苛立つ米国 過去の教訓を否定するオバマ大統領に行き過ぎの懸念も」、jbpress.ismedia.jp/articles/-/40477] 
西側の有力なファイナンシャル・タイムズさえもがオバマ大統領の動きに懸念を示しているようだ。この現状は、上記に引用したリアル・ニュース・ネットワークのインタビュー記事が指摘しているように、米国内では報道管制を敷かなければならない必要性とどこかで繋がっているのかなと考えさせられてしまう。
ドイツの公共テレビがおこなった調査報道は、2月末に選挙を通じて選ばれたウクライナ大統領を追い出した切っ掛けとなったデモ隊や警察官に対する銃撃事件は反政府連合の一派の仕業であるとの今までの知見を総合的に肯定する結果となったと言えよう。そして、その報告を取り上げた米国の非営利団体であるリアル・ニュース・ネットワークはウクライナで起こっている政情不安の背後から操っている米国政府の責任を明確に指摘している。そこには、今や商業的なメデアでは成し得なくなった客観的な報道を行いたいとする姿勢が見られる。この点は多いに評価するべきであろう。また、オバマ大統領が真実を伝えてはいないことに不満を示してもいる。この現実は今後多くの一般庶民が知ることとなり、この秋に米国で行われる中間選挙では民主党に負の影響を与えることになるかも知れない。
「変革」を合言葉にして大統領選を勝ち抜いてきたオバマ大統領が相も変わらず産軍複合体の言いなりになって世界の各地で戦争を続けるようでは、イラクへの軍事的侵攻の理由として「大量破壊兵器」の存在を喧伝し、それが大嘘であったことが判明し、政治的生命を終わることになったジョージ・ブッシュ前大統領と同様に、オバマ大統領自身もその悪名を歴史に刻むことになるのかも知れない。ノーベル平和賞を貰っている同大統領であるだけに、これは大きな皮肉となりそうだ。
このようなことをあれこれ考えると、ジミー・カーター前大統領の物の考え方が非常に輝いて見えてくる。
ロシアを多いに刺激し、ウクライナとの国境周辺にロシア軍を引き付けて、それを材料にNATO軍へ加盟しているヨーロッパ諸国に対してはロシアの脅威を喧伝し、ヨーロッパへ大量の武器を売り込みたいというのが米国の産軍複合体の筋書きのようである。しかしながら、軍事的な緊張が高まった中で何らかの誤解や誤算に基づく偶発的な軍事的衝突が第三次世界大戦に発展するようなことはないと誰が言い切れるのだろうか?この場合は核戦争となり得る。シンガーソングライターのトム・レーラーの歌は知らなかったが、半世紀以上も前にこの歌が描いたこの世の終末が現実のものとなってくるのかも。 

参照:
1German television report indicates Ukrainian opposition responsible for lethal shootings: By Johannes Stern, Information Clearing House and WSWS, April 14, 2014
2Investigation Finds Former Ukraine President Not Responsible For Sniper Attack on Protestors: By The Real News Network, Apr/17/2014